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【毎日新聞掲載記事】資源の大切さ、発信

伝統素材に光あて、米大学でショー

伝統的な着物素材で「明日への衣服」を提案する服飾デザイナー、佐藤杏梨さん(84)=東京都港区=によるファッションショーが4月、米イリノイ州のイリノイ大学構内で開かれた。佐藤さんは「日本には『もったいない』という言葉があります。限られた地球の資源を大切に使い、次世代に残すことは私たちの使命です」と呼びかけた。

同大の総長公邸。シックな和柄のイブニングドレスが登場すると、「ビューティフル」の声が上がった。ほどいた着物地が素材。墨絵がほどこされたふんわりしたブラウスの名は「アンリエット」。折り紙を折るように1枚の布を逆三角にしたシルエットだ。

「原理は着物と同じ。ホームソーイングで簡単にできます」と佐藤さん。「アーカイブスコレクション」と銘打ち、披露した作品は約20点。振り袖を細かく裂いて織った「裂き織り」の布も紹介した。

モデルに扮(ふん)した同大の女子学生、クリスティン・カオサルさん(20)は「夢があるファッションだ」と声を弾ませる。

ショーを企画したのはイリノイ大の日本館だ。館長は同大芸術学部の准教授で日系2世のジェニファー・郡司・ボールスラッドさん(43)。書道や茶道教室などが開かれており、米国人の学生やアジアなどからの留学生、地域の住民らが日本の伝統文化と接する場になっている。

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郡司・ボールスラッドさん

日本館で後日行われたトークショーで佐藤さんは、ほどいて縫い直せる着物の構造を解説した。「日本の文化には再生の美学がある。それは日本語の『もったいない』に通じ、この言葉には他の言語に翻訳できない独自のスピリットが込められる」と語った。

郡司館長は「今回のイベントで、使わなくなったものを再生して新しい命を吹き込むことの大切さを感じた」と話す。運営資金を集めるため、クリスマス前に開くバザーについて「これからは『MOTTAINAIバザー』と名付けることにします」と目を輝かせた。【明珍美紀、写真も】

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「1枚の布からさまざまな可能性が生まれる」という佐藤杏梨さん(右)。モデル役の学生(中央)が身にまとう衣装に描かれた墨絵は、友人でイリノイ大名誉教授の佐藤昌三さん(左)が手がけた

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