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MOTTAINAI SOUNDライブレポート「耳をすまして」2016 守谷・鎌倉
こんにちは、MOTTAINAIスタッフの安保です。
音楽家の守時タツミさんが、波の音や風の音、小鳥のさえずりなど、様々な場所で
自然の音を収録し、その時目にした風景とその場で感じた想いを曲にしたMOTTAINAI SOUND。
先日は、岡山でのライブのレポートをお届けしましたが、今回は5月からのツアーを締めくくる、
茨城県守谷市、神奈川県鎌倉市で行われたライブの様子をお届けします。
■国際交流がテーマのライブ
6月18日、茨城県守谷市の国際交流センターでライブが開催されました。
会場は、豊かな緑に囲まれたとても大きなログハウス。
MOTTAINAI SOUND Vol.2に収録されている【守谷「Birds in the wind」】では、
鳥の声がとても印象的だったのですが、会場に到着すると、まさにそのイメージ通りに
鳥達が周辺を飛び回り、美しい鳴き声が沢山響いていました。
今回は守谷市の国際交流協会(MIFA)が主催のライブということもあり、国際交流がテーマになっていました。
MIFAはとても活発な活動を行っていて、毎年海外の大使の方を招聘して、講演会を行っているそうです。
第1回目にイスラエル大使を招聘した際には、大勢の警護の方が押し寄せたとのこと。
こんな穏やかな土地に!?と、驚かされるエピソードでした。
そんなお話の後、守時さんが登場して神楽囃子を感じさせる、日本的な楽曲【宮崎 宮崎神宮】からライブがスタート。
5月のライブとは違う楽曲でのスタートに、個人的にはかなり驚きました。
守谷では3年前に1度ライブを行ったそうなのですが、
今回のライブでは守時さん自身が音楽を通じて海外と交流していることから、
その視点で色々なお話をしていきたいというご挨拶。
そして2011年と2012年に訪問した、東日本大震災の被災地である福島県飯館村の曲を、2曲続けて演奏。
その後には、MOTTAINAIキャンペーンについて、提唱者のワンガリ・マータイさんの
写真を幾つか交えて紹介していただきました。
守時さんは、2009年にマータイさんが来日された際にお会いしていて、
短い時間だったけれどもその時の彼女は負のオーラが全くなく、
プラスのオーラに満ち溢れている方だった、というエピソードを披露いただきました。
NHKラジオ深夜便「音の絵本」のオープニングになっている【美瑛「朝霧の中」】、
波の音にインスパイアされて作曲された【江ノ島「Sun Dance」】と演奏は続きます。
そして守時さんのもう1つのプロジェクト「おとえほん」のコーナーでは、地元の声優・
語り部の和久田み晴さんが登場。
日本昔話から「鶴の恩返し」、世界昔話からは「ラプンツェル」を披露いただきました。
機織りで恩返しする健気な娘さんから、ラプンツェルを塔に閉じ込めてしまう魔女まで、
その落差を見事に演じる大変な表現力でした!
ここで守時さんより面白いお話が。
世界の童話には、人の名前が必ずと言っていいほど出てきますが、日本の昔話には、ほとんど出てこない。
(昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが・・・という感じですね。)
おとえほん日本昔話の英語版の収録時、イギリス人の女性に、「登場人物に名前がないと困る」
という話をされたことがあったそうです。
名前をつけてしまうとニュアンスが変わってしまうからそれは出来ないよ、
というお話をしたそう。この文化の違いが面白いですね。
ここでゲストのチェロ奏者、宮尾悠さんが登場し、ロンドンのジェラード クロスの森で集音した、
とてもきれいな鳥の鳴き声に合わせて、世界昔話【シンデレラ】のオープニングとエンディング、
そして【大きな古時計】を演奏。
ピアノとチェロの上品なメロディーに美しい鳥の声がマッチして、
背後の大きな窓から差し込む光が柔らかく会場を包み込んでいました。
【北鎌倉 円覚寺「飛翔」】、旭川の旧岡田邸を守る方々への応援歌のつもりで作曲したという
【旭川 旧岡田邸「rebirth」】でライブは終了しましたが、アンコールではもちろん、
【守谷「Birds in the wind」】の演奏が。
ライブには小さなお子様から年配の方まで幅広い年齢層の方が訪れていましたが、
終演後、皆さんニコニコと満足そうに会場を後にしていたのが印象的でした。
そんな温かい空気の中、帰りのバスで、千葉から来られたという女性と出会い、
守谷駅に遠回りで到着するバスに一緒に乗車して、40分ほど守谷の景色を見て帰りました。
新聞の記事でライブを知り、会場に足を運んでいただいたこの女性は、
来月タイの知り合いを訪ねる予定とのことでした。
スケジュールをやりとりする課程で、先方に障害者の方がいることが分かり、
日本のお土産を何にしようか悩んでいたけれども、今日のライブを見て
MOTTAINAI SOUNDのCDに決めた、と嬉しそうにお話いただきました。
■異空間を感じる鎌倉円覚寺でのライブ
翌週6月26日は、鎌倉 円覚寺 如意庵でライブが開催されました。
今回のツアーの最終日です。
北鎌倉駅の目の前に門を構える円覚寺は、鎌倉時代後半の弘安5年(1282)に、
北条時宗が蒙古襲来による殉死者を、敵味方の区別なく平等に弔うために創建した臨済宗のお寺。
今回で3回目となった円覚寺でのライブのきっかけは、守時さんが北鎌倉を訪れた際に、
ここで絶対ライブをやりたい!と思ったことがきっかけだそうです。
そしてその足で住職さんに直接お願いし、後日実際に演奏を聴いていただいて、
承諾をもらったこと。
3方向を山で囲われているために外の雑音が聞こえてこない、下界から閉ざされたような、
ここだけ別空間という感覚をもった、というお話でしたが、実際に訪れてみると、
駅が近いのに電車の音も聞こえず、境内は自然と和に満ち溢れた素敵な空間でした。
ライブ当日はとても暑い日でしたが、境内のアジサイが満開で、沢山の観光客の方が訪れており、
会場の如意庵も早い時間から続々と来場者が訪れて、満員御礼。
熱気が立ち込める中、【宮崎 宮崎神宮】でライブがスタートしました。
MOTTAINAI SOUNDに想いを込めるきっかけとなった、飯館の2曲を終えると、
チェロの塚本慈和さんがゲストで登場・・・の予定が、
なかなか登場しないというハプニングが、会場の笑いを誘いました。
【守谷「Birds in the wind」】の演奏に続き、海にちなんだ唱歌をMOTTAINAI SOUND風にアレンジした、
【七里ガ浜の哀歌】、【気比の松原「浜辺の歌」】と演奏。
【七里ガ浜の哀歌】は、かつて七里ガ浜の海で逗子開成中学校の生徒12人を乗せたボートが転覆し、
帰らぬ人となった事故を歌った鎮魂歌。
守時さんが曲のエピソードをお話している最中、頷いている方も多かったので、
地元では有名なお話のようです。
寄せては返す波の音に、流れるようなピアノの調べと、温かなチェロの音の響き。
なんともいえない哀愁を感じて、当時の出来事に想いを馳せる方も多かったと思います。
休憩をはさんで、桐生のライブでも「おとえほん」のゲストで登場いただいた、
橘 実里さんが登場して、日本昔話の「屁ひり女房」を披露いただきました。
おならが我慢できないお嫁さんが、結局は宝嫁となって家族で幸せに暮らす、
というストーリー・・・。
「橘さんが屁ひり女房なんて、大丈夫かな??」と思っていたのですが、
物語のお嫁さんの可愛らしさと、橘さんのキャラクターがマッチして、
ホッコリ素敵なお話を聞くことが出来ました。
そしてまたMOTTAINAI SOUNDに戻り、ゲストでギターの友森昭一さんが登場して、
【江ノ島「Sun Dance」】の演奏。
前半に演奏された、海がテーマの唱歌とは打って変わり、江ノ島の弾けるような波の音と、
友森さんの優しく繊細なギターの音が相成って、アップテンポながら心地よい演奏になりました。
その後、チェロの塚本さんも加わって、【桐生「夏の日の夢」】、【白神山地「Shirakami」】と2曲続けての演奏。
桐生には5月のライブで初めて訪問しましたが、町の中の緑も水も豊かなうえに地元の方々も温かく、
とても魅力的なところでした。
【桐生「夏の日の夢」】は、守時さんが桐生で知人の親戚の家に泊めてもらった際に
聞こえてきた風鈴の音で、子供の頃に親戚の家に遊びに来たような感覚をもって作った曲だそうです。
私もこの曲を聴くと、小学校の頃の夏休み、特にお盆時期の親戚の集まりをなんとなく思い出します。
こちらで視聴いただけますので、是非聞いてみてください。
3人での演奏は、本日のライブ会場の曲【北鎌倉 円覚寺「飛翔」】、と【旭川 旧岡田邸「rebirth」】と続きます。
最後の曲は、今回のライブツアーでLASTを飾ることの多かった【どんぐりとヤマネコ】。
阿蘇の風の音に、今回はギターとチェロが加わって、一段と深みのある演奏になっていました。
アンコールは【美瑛「朝霧の中」】。
守時さんが大事にしている土地、北海道の美英の曲で、今回のツアーを締めくくりました。
3回にわたってレポートをお届けした、MOTTAINAI SOUND「耳をすまして」2016ライブツアー。
ライブを訪れた方にはその余韻を、訪れる事が出来なかった方には、
少しでも当日の雰囲気を味わってもらえればという思いでしたが、なんと8月に、東京港区のカフェパピエにて、
「耳をすまして」2016展 音楽家 守時タツミ~音と写真の世界~が開催されることになりました。
MOTTAINAI SOUNDの世界に触れることが出来るこの機会に、
ぜひお足をお運びいただければと思います。
そして秋には北海道でのライブが予定されています。
スケジュール等は、MOTTAINAIのホームページ、SNS等で告知しますので、是非チェックしてくださいね。
「耳をすまして」2016展 音楽家 守時タツミ~音と写真の世界~ 詳細はコチラ
MOTTAINAI SOUNDのページはコチラ
MOTTAINAI SOUND vol.3のご購入はコチラ
*関連読みもの*
・MOTTAINAI SOUNDライブレポート「耳をすまして」2016 桐生 鳳仙寺
・MOTTAINAI SOUNDライブレポート「耳をすまして」2016 岡山&吉備津神社へ行って来ました。
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