MOTTAINAI SOUND

神奈川 / 七里ヶ浜(2018.05)

神奈川県の逗子から国道134号線で、材木座、由比ヶ浜、稲村ガ崎を過ぎると、その次に見えてくるのが七里ヶ浜です。江ノ島のすこし手前のところで、晴れてる日の夕方には富士山がほんとうにキレイに見えます。
朝夕、地元の人が散歩したり、ジョギングしたり、夏は若者でにぎわう海岸ですが、この七里ヶ浜沖で昔、痛ましい遭難事故がありました。1910年123日、逗子開成中学校(現・逗子開成高校)の生徒たち12名が、許可なく、葉山の鐙摺(あぶずり)という海岸からボートに乗って、江ノ島に向かったんです。当日は日曜日で、生徒監と舎監は同僚の転勤の見送りのため不在でした。この二人がいなかったため、生徒たちは許可なく舟を出してしまったわけです。冬の季節、七里ヶ浜沖では、地元の漁師たちが「ならい」と呼んで怖れている突風が吹き、行合川沖でこの突風に煽られてか、舟は転覆してしまいました。遭難した生徒の死を深く悲しみ、その霊を慰めようと合同慰霊祭で歌われた曲です。

守時 タツミ

キーボードプレーヤーとして音楽活動を開始。コンサートツアー、レコーディングから、アレンジ、プロデュースまでこなす。今まで関わったアーティストは、佐野元春、 ザ・ハイロウズ、Kinki Kids、藤井フミヤ、hitomiからClementineにまで至る。後にベネチア映画祭招待作品『千年旅人』など映画音楽も手がけるようになる。2007年より「100年後の子どもたちへ」という思いでdecibelを立ち上げ、音楽活動を展開する。ナレーションと音楽で綴った昔話『おとえほん』や『MOTTAINAI SOUND』などの企画、プロデュースを手がけ、高い評価を得ている。

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