MOTTAINAI 事務局便り

2009.02.10

インタビュー:小山薫堂氏(構成作家)

日常のちょっとしたアイデアをみんなで集めて考えるありそうでなかった研究所「MOTTAINAI Lab」の研究員・小山薫堂さんが今春、東北芸術工科大の教授に就任する。就任に当たっての抱負などを聞いた。

DSC_3340.JPG

||なぜ大学教授に?
「今の大学の教育ってモッタイナイと思います。だって、文学部を出た人が文学者になるわけじゃないのに、ひたすら本を読んでいる。社会に出てほとんどの人が手がけなきゃいけない『企画』力を磨く学科がない。それなら作っちゃおうということで企画構想学科を設立し、学科長に就任することになりました。

 ||放送作家が大学で教えるって面白いですね。
 「放送作家の仕事はおせっかいなおばあちゃんみたいなもんだと思っています。あらゆるジャンルのことをいかに分かりやすく伝えるか。企画力の勝負です」

 ||企画力ってどんなものですか。
 「学科説明会でのことです。カレーを用意して『カレー食べたい人?』って聞いたら、手を挙げたのはぱらぱらと数えるぐらい。でも『このカレー、メジャー・リーグのイチロー選手のお母さんが作ったんですよ』と言ったら、ほとんどの人の手が挙がりました。企画力ってどれだけ目の前のものに感情移入させられるかなんです」

 ||どんな授業を考えていますか。
 「いま社会構造が激変しつつあり、企画力は広告の話にとどまらず、新技術、サービス、経営課題などへの解決策にも不可欠になってきました。その企画力を鍛えるものにしたいと思っています。私の授業では、まず初めに学生に学科名の入った名刺100枚をプレゼントして、『自分の人生の分岐点になる人、10年後に付き合っているだろうなと思う人に4年間で配りなさい』と言います。1カ月に2枚程度。渡す相手を真剣に考えるでしょう?」

 ||普通の企業は山のように名刺を渡してあらゆる人に配れと言います。
 「何かのレセプションで束のように交換した名刺があるとします。誰が誰だか思い出せないでしょう?出会いって本当は2度目が大切なんです。そうやってアンテナを張ることが一生の仕事につながりますから」

 ||最近の若者はどう映りますか。
 「うちの学科を受ける学生にはやる気のある人が多いですね。地域活性化を手がけたいという声をよく聞きます。大学の主催事業で、高校生が社会やくらしの中から問題点を見つけだし、その解決策を競う『全国高等学校デザイン選手権』というのがあるんですが、環境や福祉などの度合いを示す七色の花が世界で満開になるようにするプロジェクトや平和を害する武器のトレーサビリティシステムを構築するプロジェクトなど面白い企画が寄せられています」

 ||最後に、脚本を書いた映画「おくりびと」について一言お願いします。
 「最初は断ろうと思っていたんです。葬式をテーマにした映画は伊丹十三監督の『お葬式』を超えるものが作れないだろうと思っていたので。しかし、どうしても断れない人からお願いされて書きました。後味のいい映画になって良かったなと思っています」


<小山薫堂氏プロフィール>
 放送作家。1964年熊本県生まれ。TV番組の企画構成のみならず、エッセイ・小説など執筆、ラジオのパーソナリティ、商品プロデュースなど活動分野は多岐にわたる。「もったいない主義(仮題)」(幻冬舎新書)が3月末発売予定。春からは本人が学科長を務める東北芸術工科大学デザイン工学部企画構想学科がいよいよ開講する。

DSC_3327.JPG
↑小山薫堂さんのオフィスはパン屋さんになっています。


グリーンベルト運動