MOTTAINAI 事務局便り

2008.08.27

CSRの現場から ツリーハウス・クリエーション /東京

毎日新聞にツリーハウスクリエーターの小林崇さんが登場しました。子どものころ、大きな木の下で遊んだことを思い出しますね。

貢献人たち:CSRの現場から ツリーハウス・クリエーション /東京
<貢献人(こうけんびと)たち>

080817mainichi.jpg
 
◇森の恵み、実感して??自然に触れるきっかけに
 樹齢80年の大きなモミの木の周りに六角形の家。3畳ほどの部屋に入ると、そよそよと揺れる木の鼓動が体に伝わる。八王子市の高尾山。モミの木やケヤキが生い茂る裏高尾・日影沢の私有地にあるツリーハウスが、高尾山の環境を守る市民グループの一つの拠点になっている。
 「初めて高尾山に来た人が、次はリピーターになって友人を連れてくる。この山の自然に触れる呼び水にツリーハウスを思いついたが、予想以上の効 果」と企画した環境NGO「虔十(けんじゅう)の会」代表の坂田昌子さん(48)=同市=は言う。約380万円の費用は寄付を募り、市民約150人が制作 に参加した。ツリーハウスをシンボルに毎月のように環境や平和のイベントが開かれる。06年春の完成以来、3000人以上が訪れた。
 「都心から高尾山までは電車で1時間余りだが、里山文化が失われている東京では、人と森との精神的な距離はもっと遠い」。設計と制作の指導に当たったツリーハウスクリエーターの小林崇さん(50)は話す。
 もとは原宿のアパートで、一人気ままに古着屋兼カフェを営業していた。95年、来日した米国のツリーハウス建築の第一人者、ピーター・ネルソンさ んに誘われ、オレゴン州での国際イベントに参加。「自分でつくったツリーハウスの中にいたら、ひたひたと木が寄り添ってくる。森に抱かれているような感覚 が広がった」
 以来、設計技術などを研究しながら普及活動をし、00年に愛好家らで「ジャパン・ツリーハウス・ネットワーク」を結成した。05年には株式会社 「ツリーハウス・クリエーション」(渋谷区)を設立。社長の小林さんのほか5人のスタッフが働く。「いわゆるエコビジネスだけど、事業として確立させよう としたのは結婚して子どもが生まれたことも大きい」。小林さんは5歳を頭に3児の父だ。
 画一化された製品は売らない。依頼を受けると何度もその地に足を運び、気候風土に合ったデザインを考える。「例えば東北では雪の重さ、沖縄では台 風の被害に耐えられる構造にする」。ハウスの木はできるだけその地域の間伐材を使う。地元業者を巻き込み、林業の活性化につなげる狙いがあるからだ。個人 宅から環境団体、学校など、これまでに約40棟を手がけ、最近は自治体からも注文がある。
 「1本の木には負担をかけるけれど、樹木に触れることで、二酸化炭素(CO2)を吸収し、酸素を出してくれる木の恩恵を実感できる」。人々が森に入るきっかけとしてツリーハウスをつくる。【明珍美紀】

2008.08.21

インタビュー:永田哲也(和紙アーティスト)

 団扇の中心に大きく跳ねるタイのかたどり。勢い余って団扇のふちを飛び出した頭や尾が特徴的だ。今年5月にこの団扇を贈られたMOTTAINAIキャンペーン名誉会長、ワンガリ・マータイさんは「繊細な日本文化が表現されている」と評した。この団扇、どうやって誕生したのかを現代美術作家の永田哲也さんに聞いた。

nagatatesuya.JPG

 ||まるで鯛が生きているようですね。
 「このタイはもともと老舗の和菓子舗に保管されていた菓子用の木型のものなんです。ある有名な木型職人の奥さんがご主人を元気付けようと、ひそかに和菓子舗を装って注文したものですが、ご主人の死後、店に寄贈されました。木型ひとつひとつにストーリーや記憶があるんですよ。和紙の軽くてしっとりとした風合いが和菓子と似ていて、どこか懐かしいでしょ」

 ||なぜ木型にこだわるんですか。
 「そこに込められた日本の意匠のすばらしさに引かれます。木型を使った落雁や金華糖のような和菓子は、砂糖が貴重だったころは盆暮れや祝い事に欠かせない食べ物で、職人は見る人の目を楽しませようと細かい細工を施したり、滑らかな曲面を描き出したりしていました。こういう文化は日本独自のものなんですが、落雁や金花糖は高度経済成長期に入ってきた洋菓子に押されて次々と姿を消し、多くの木型が捨てられたり、物置の片隅に追いやられました。

 ||木型を使った作品づくりはいつから。
 「以前から和紙を使って工事現場のパワーショベルやわだちなどいろいろな物の形や記憶を写し取ってきたんです。6年あまり前、骨とう市でタイの木型に出会い、その面白さに共通性を感じて作品づくりを始めました」

 ||海外でも評判だとか。
 「05年にパリの見本市、06年にカタール・ドーハの新作発表会でディスプレーに使用されたところ、百貨店などから問い合わせがありました。木型と和紙の組み合わせは外国人にも新鮮に映るようです。国内でも伊勢丹新宿店などに常設されています。日本文化の良さをこれからも伝えたいですね。

nagatasakuhin.JPG

●永田哲也プロフィール

 85年東京芸術大大学院修了。和紙を素材にした作品でホテルオークラ東京などのディスプレーを担当する。最近は和菓子の木型を和紙でかたどった作品に力を注いでおり、とくに三大団扇の産地の一つで千葉県伝統工芸品の房州団扇と国指定文化財の西の内和紙を組み合わせた作品は国内外で評価されている。


【聞き手・山本建】

2008.08.07

インタビュー:セキユリヲ(デザイナー)

 「サルビア」というブランドで服やバッグ、アクセサリーなどを手がけるデザイナー、セキユリヲさん。和物でも洋物でもない不思議な図案で見る人をゆったりした気分にさせます。新製品だけでなく、着古しの服やはぎれを使ったものづくりに取り組むセキさんに話を聞きました。
sekiyuriwoph.jpg

 ||最近、日本で培われた暮らしの知恵「刺し子」が見直されています。
 昨年11月にMOTTAINAILab研究員としてシブヤ大学で「刺し子」の授業を開きました。刺し子は木綿が貴重だったころに、着物やモンペがちょっと破れたり、擦れたりしたところを糸で刺繍のように補強するためのもの。それだけでなくほころびや繕いを楽しもうと「麻の葉」や「青海波」などの伝統模様が生まれました。
shibuya.jpg

 ||ものを大切にする心が表現されているんですね。
 布地を大事に使い、最後は縫い合わされて雑巾として使う。こんな使い方は西洋には見受けられません。インドでパッチワークのような布団カバーを見たことがあるのでもしかしたらアジアにはいろんな布地の再利用方法があるのかもしれない。それでも刺し子は日本独自のものでしょう。

 ||ものを大事にする姿勢はMOTTAINAIに通じるところがありますね。
 人にそう指摘されることがありますが、私自身はエコロジーを意識しすぎることには抵抗感があります。一人の社会人として社会のことや環境のことを考えるのは当然。むしろ、ものを大事にするのは、その方が無駄遣いするよりも気持ちがいいから。人を愛することやものを大切にすることが大切だと思います。

 ||7日から着古しの服をバッグにリメイクする縫製サービスを始めるそうですね。
 着れなくなったお気に入りのシャツやジャケットの前開きの部分を残してバッグに加工します。服を送っていただき、こちらでデザイン、縫製してお届けする取り組みです。いらなくなったものがバッグに変身してちょっと使ってみたくなる喜びを感じてほしい。
remakebag.jpg

 ||MOTTAINAIオフィシャルサイトで「たべものも暮らしに使うものも自給自足」を宣言しました。
 今年から毎月1回千葉県の実家に戻って農作業を手伝っています。ちらほらと野菜が獲れるようになり、たべものを得る喜びを味わっています。何でもそうですが、やらなきゃいけないのではなくて楽しんでやりたいですね。

【聞き手・山本建】


グリーンベルト運動