2008.06.12
もったいない全国大会〜「もったいない」全国に浸透〜
「『もったいない』が地球を救う」をテーマにした「第2回もったいない大会inうつのみや」は3日、宇都宮市の県総合文化センターで、島津製作所(京都 府)▽NPO法人スペースふう(山梨県)▽岡山市▽茨城県立土浦湖北高――の4団体が事例発表を行って閉幕した。あいにくの雨模様の天気ながら、会場には 約500人が訪れ、各団体の発表に対して質問が相次ぎ、来場者の「もったいない」への意識の高さを感じさせた。
◇4団体が事例を発表
大会は2日間で、交流会や植樹活動を含めて延べ約4000人が参加し、大盛況のうちに全日程を終えた。次回の開催地は未定だが、会場では「3回目までは宇都宮で」という声や、県外からの参加者からは「ぜひうちの地元で」などの声も上がっていた。
宇都宮市の佐藤栄一市長は「今大会の成果を、7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)へ向けて発信したい」とのコメントを発表した。
8年ぶりに日本で開催され、地球環境問題がメーンテーマになるG8サミットへつながる大会となった。
◇リユース食器の利用拡大訴える−−山梨のNPOスペースふう
山梨県増穂町のNPO法人「スペースふう」は、リユース(再利用)食器のレンタル事業を展開している。永井寛子代表は「栃木県はリユース食器の利用が少ない。これを機に使い捨て食器をやめる方向で協力してほしい」と訴えた。
スペースふうは99年、同町の女性10人が地域活性化と女性の自立を目指し設立。イベント会場で大量に捨てられる食器ごみを「何とかできないか」と考え、 イベント主催者に食器を貸し出し、未洗浄まま回収・洗浄し、再び貸し出すシステムを確立。経済産業省の助成を受け、03年9月から本格稼働した。
「増穂町から全国に発信しよう」と、04年には「第1回全国リユース食器フォーラム」を開催。サッカーJ2のヴァンフォーレ甲府の試合会場でも、リユース食器を導入した。現在は全国7カ所に拠点事業所を持ち、さらにリユース食器の輪を広げたい考えだ。
永井代表は「個々の力は弱くても、ネットワークでつながれば地域や社会を変える大きな力になる」と結んだ。【戸上文恵】
もったいない全国大会の様子はこちら⇒映像
◇生ゴミで堆肥、無農薬野菜栽培−−茨城・土浦湖北高
茨城県立土浦湖北高校の家庭クラブは、生ごみから作った堆肥(たいひ)を使用した無農薬野菜作りなどの活動報告を行った。同クラブは昨年度、リサイクル功労表彰で、文部科学大臣賞を受賞している。
自作した堆肥でピーマンやトマト、カボチャやナス、ハーブなどを育てた。他の肥料と比べ実がたくさん付き、植物が大きく育ったといい、「土を柔らかくする働きがある」と報告した。
また、堆肥づくりに向かないタマネギやぶどうの皮を使って古着を染め、エプロンなどにリフォーム。調理実習で出た廃油からつくったせっけんや、ペットボトルからつくったショルダーバッグなども紹介した。
クラブ員たちは「ごみもリサイクルすれば排出量をかなり減らすことができ、処理経費も少なくできる」と訴え、「活動の輪を広げ、ゴミを出さない循環型社会にしていきたい」とまとめた。
会場からは「活動を行政に対しても積極的にPRしてほしい」など、評価する声が上がった。
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肥作りや無農薬野菜の栽培などの活動について報告する茨城県立土浦湖北高校家庭クラブの生徒たち
◇マータイさんにマイはし贈る−−グループはしわたし
○… 会場には、マイはし運動を進める市民団体「グループはしわたし」が出店し、手作りのはしケース(500円)を販売した。来場者は布地の色を見比べながら、 買い求めていた。同グループは前回大会でも、はしケースを販売。今回は、2日の全体会に出席したノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんらにも、はしを贈った。代表の吉川純子さん(69)は「なるべくいい物を末永く使ってもらいたいので、手触りや色にこだわっている」と話していた。
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会場で、手製はしケースを販売する「グループはしわたし」のメンバー
◇新聞古紙100%で社外向け封筒提案−−島津製作所
島津製作所(京都市中京区)の岡崎令子さん(48)、梅田昌子さん(41)は、99年12 月に始動した女性社員9人による環境活動グループ「え〜こクラブ」の活動を報告。年間約22万5000枚に達する社外向けの封筒を、新聞古紙100%で作 ることを提案して採用されたことや、ポケット型の灰皿を作ったことなどを紹介した。
また、これまで39校の小中学校で、環境教育の出前講座を 行ったことを報告した。絶滅の恐れのある生物の状況をまとめたレッドデータブックをもとに、同志社大の学生らと共同制作した生物の多様性を学べるカード ゲームを利用した講座などが好評だという。岡崎さんは「数字だけを詰め込むより、実践教育が大事」と強調した。
岡崎さんはクラブの活動は月2回、毎回1〜1時間半程度で会社の了解を得て業務時間内に行い、予算も半年で100万〜150万円を会社から得ていると説明したところ、会場からは「うらやましい」と、驚きの声が上がった。【葛西大博】
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ポケット型灰皿を紹介する梅田さん
◇官民一体でESD推進−−岡山市
岡山市は、すべての世代を対象にした「持続可能な開発のための教育」(以下、ESD)を官民一体となって進めている。05年にはユネスコ(国連教育科学文化機関)などからESD推進拠点として認定されている。
発表した同市環境局の内藤元久次長によると、ESDは、環境や平和、人権、開発など幅広い分野の学習活動を対象としており、持続可能な社会づくりに貢献する人材を育てる取り組み。
同市では「岡山ESDプロジェクト」を05年に発足。企業や市民団体、マスコミなどが一緒になり、年3回の交流会を開くなど、情報交換の場を設けている。また、ユニセフ(国連児童基金)と協力して写真展を開くなど、国際理解教育にも取り組んでいる。
また、「もったいない運動」を07年にスタート。職員の意識改革を進め、事務事業での環境負担の低減も心掛けている。運動に賛同する市民・団体の登録を募り、登録者は同運動の名称を使うことができるという。【中村藍】
■来場者ひとこと
◆大事な4R/普段の生活から/全世代で取り組み/できることから
「人・もの・地球を大切にする『こころ』を育(はぐく)もう!」をテーマにした、第2回「もったいない全国大会」は、多数の参加者で盛況だった。来場者に感想を聞いた。
◇無職、上澤光雄さん(69)
今まで地域のお祭りでごみを分別収集するなど、ごみ減らし、再利用、再生利用の3R運動を進めてきましたが、マータイさんの話を聞いてこれからはすべての物に感謝する「リスペクト」を加えた4Rが大事だと気付きました。
◇宇都宮大国際学部3年、高橋香里さん(20)
普段からマイはしやエコバッグを持ち歩き、大学の研究テーマは宇都宮市の進める「もったいない運動」です。各団体の取り組みを聞いていますと、最初は小さくても全国規模にまで活動を広げており、あきらめない気持ちが大切だと感じ、今日はとても勉強になりました。
◇農業、小林則夫さん(59)
エコとか環境破壊とか非常に関心があります。自分だけが良ければいいではなく、全世代が取り組むことが大事です。事例発表のNPOによるリユース食器のレンタル事業、すごい先進的な事例だと思います。栃木はまだまだですね。
◇鈴村正志さん(52)
この2日間で、環境破壊への危機意識が強まりました。普段、道端に落ちている空き缶とかゴミを拾って分別している程度ですが、もっと自分ができることを考えたいです。
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